ホノルル滞在の朝、朝飯処を探しに街を歩くのは楽しい。
せっかくなので有名店に行こう、と日本のホノルルガイドブックを見ながら朝飯への旅へ出発。
でもそこは戦場だった。
(カメハメハ大王は朝飯に何を食っていたのか?)
まず、最初はC店。ガイドブックによると、この店は“新感覚のパンケーキ”で勝負しているらしい。
朝晩同じものを食べた日々が続いたので、新感覚のご褒美を自分にプレゼントするにはふさわしい場所ではないか。
C店へ到着。「待ってください」と言われ待っていると、後から来たお客さんを先に席へ案内したので、店の女性に聞いてみると、僕達の存在に気がつかなかった、とのたまうのです。
あわてて席を用意し始めましたが、「もういいです」と言って店を出てしまった。一件目で玉砕。
朝飯難民になってしまい、またガイドブックへ相談。C店が載っている同じページにE店が広告をだしています。E店は超有名店で噂は聞いています。
“ふわふわ食感パンケーキ”で勝負している。もともとふわふわした生活なのでこれ以上自分をふわふわにしてしまうといけないな、と危険信号を感じましたが腹が減っているのでどこでもいいや、とその店へ再出発。
E店があるはずの場所には何十人もの人が疲れた顔をしてたむろしていたので、「みんなバスを待っているのだろう」と人ごみの中に入っていくと、みんなレストランの順番待ちの時に持たされる、順番が来ると赤く光り震え始める装置を握りしめているのです。
人々はバスを待っているのではなくて、E店を待っていたのです。
待つか?それとも違う店にいくか?という重要な決断に直面してしまった。最短で飯にありつける計算を始め、彷徨うよりは待っていたほうが早いだろうと答えを出し受付に名前を告げにいくと、ぶるぶる装置をもらうまでにも待つ時間があると言う。
丁寧に注意書きが書いてあるメニューをもらう。それには注文は1回だけ、入り口はこっちであっちで、どうのこうの、と書いてあるので、もうめんどうだ、とブルブル装置を店に返してまた朝飯への旅へ再々出発。
と、E店の人ごみのちょっと離れたところにサンドイッチマンが立っているのです。朝から銃の打ちっぱなしを売っているのか、と注意して見ると、なんと最初に行ったC店が配備したサンドイッチマンなのです。
同じような店なので、C店はもっと有名なE店に集まったお客を横取りしようと戦略展開しているのです。C店もなかなかやるではないか、見直したぞ。
もうガイドブックに相談してもだめだろう、と最前線で戦うことを諦め難民キャンプのデニーズへ直行。
デニーズの席に座って「やっぱりここだよねえ」と安堵のため息。自宅の近くにあるお馴染みデニーズの空気がそこにあるのです。
全国チェーンのお店は、どこでも一定のサービスが期待でき、同じ言葉を使い、何が食べられ、どんな味で、いくらなのか、入る前に全てわかっているので安全なお店です。
最初から安全な選択をすればよかった、と後悔しながら、デニーズの存在に感謝するのです。
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