最近、アメリカのダイビング雑誌を読んでいるとミノカサゴがフロリダからカリブ海に異常発生しており、地元の魚を食ってしまうという記事がよく目立ちます。
ミノカサゴはもともとその辺にはいない魚で外来魚なので、「けしからんビザもパスポートもない不法入国者の上国籍不明で国外追放もできないではないか」、それでは食ってしまえ、というお話です。
とってもアメリカなのです。
ハワイでも同じような話があって、ハワイ島でダイビングすると絶対見かけるアオノメハタが外来魚です。
結構獰猛な魚で小魚を追い掛け回している姿をよく見かけます。
やっぱりハワイの地元の魚を食ってしまいます。しかも人間が食ってうまい魚の稚魚を食ってしまうので、「けしからん人間様の食事を横取りしやがって」、と言ってスピアフィッシィングで退治しているみたいです。
とってもハワイなのです。
日本ではブラックバスですね。
とっても繁殖力が強いので(だから外国でも生きていけるのですけど)、日本でのんびり育った魚さんたちを食ってしまうのです。
なんとか駆除しようといろいろ対策を考えているみたいですが、なかなか。
ブラックバスを釣る人口は大きいのですが、釣って楽しい魚らしく、キャッチアンドリリースの名のもとに釣ったら逃がしているのでいっこうに減りません。
また、日本人はブラックバスを食いません。
魚食文化で、マス、鮎、鯉、ふな、どじょう、うなぎ、などブラックバスより見かけが悪い魚を食うのにどうしてか精悍な顔立ちのブラックバスは食わないのですね。
食わず嫌いなのか外国嫌いなのかはわかりません。
ブラックバスは食ってまずい魚ではないのです。僕がアメリカ本土にいたときはよく湖に釣りにいったのですが、地元の人はブラックバスを釣ったらフィッシュアンドチップスにして食っていました。
最初はどうかなと思いましたが、いざ食ってみるとしっかりした白身魚でうまいのです。
噂ですが、釣り道具メーカーが売上を上げるために日本各地の湖沼にブラックバスを放したかもという面白い話があります。
まあ、鶏肉の輸入を増やす為にケンタッキーフライドチキンを誘致したり、牛肉の輸入を増やすためにマクドナルドを誘致したり、してきた日本経済なのでまんざら釣りメーカとブラックバス癒着話は噂でもないかもしれません。
「けしからん外魚登録カードを持っていないブラックバスが日本中に存在している。でも、釣り具屋は恩恵を受けているし、湖近辺の民宿やボート屋、またまた高速道路の収入にも貢献しているし、たしかに日本固有の魚が外魚によって絶滅していくのは問題だが、地元経済と関係者の間で話し合いの上中長期的な対策を前向きに考えていきたいと思います。」
多分こんな感じでしょう、とっても日本なのです。
Rosenthal.E.(July 9, 2011). Answer for Invasive Species: Put It on a Plate and Eat It. New York Times.
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